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クロス集計とは?正しい手順と単純...

2026/9/25

クロス集計とは?正しい手順と単純集計との違い、エクセルでの作り方から検定まで解説

この記事でわかること

  • 単純集計とクロス集計の違いと、クロス集計の3つの種類

  • 表側(ひょうそく)・表頭(ひょうとう)といった表の各部の呼び名と、割合の読み方

  • エクセル(ピボットテーブル・関数)でクロス集計表を作る手順

  • 出た差を報告に書いてよいかを判断する3つの確認(セルの人数・別の要因の影響・検定)

アンケートの回答を、年代別や性別といったグループに分けて数え直す集計を、クロス集計と呼びます。単純集計の次の一歩として、ほとんどの調査で使われる基本の集計です。

ところが、いざ自分で作るとなると、エクセルでの表の作り方、横と縦のどちらで割合を出すか、そして年代別に見えた差が有意なのかの判断など、手が止まってしまう方は少なくありません。

結論だけ先にお伝えすると、クロス集計の表そのものは、エクセルの「ピボットテーブル」機能を使えば短時間で作れます。しかしその結果を「グループごとに差がある」と結論づけてよいかの見極めは、よく考える必要があります。

本記事では、単純集計との違いとクロス集計表の見方、エクセルでの作り方、そして確認できた差をレポートに書いてもよいかを確かめる手順まで、順に解説します。

クロス集計とは?単純集計との違い

クロス集計とは、2つ以上の設問を掛け合わせて、回答をグループ別に数え直す集計方法です。「満足度」の設問を「年代」で区切り直せば、年代ごとの満足の割合が1枚の表になります。

単純集計は全体の傾向、クロス集計は「誰がどう違うか」

単純集計は、設問ごとに各選択肢を選んだ人数と割合を数える、いちばん基本の集計です。たとえば"「満足」と答えた人が全体の70%"、といった形で、設問ごとの傾向がわかります。

ただし、単純集計が示すのは、全体をひとまとめにした数字だけです。その70%の内訳が、年代や性別でどう違うのかまでは見えません。

クロス集計は、この内訳を確かめるための集計です。先ほどの例でいえば、"全体では70%あった満足が、20代の中だけで見ると50%にとどまる"、といった違いが見つかります。

単純集計で全体の傾向をつかみ、クロス集計で「誰がどう違うか」を確かめる、という順番が集計の基本の流れです。

単純集計とクロス集計を左右に並べて比べた図。左の単純集計は「設問ごとに全体の傾向をつかむ」で、各選択肢を選んだ人数と割合を数える、どの調査でも最初に行ういちばん基本の集計、全体をひとまとめにした数字だけが出る、の3点。年代や性別でどう違うかは見えない。右のクロス集計は「設問を掛け合わせて誰がどう違うかを見る」で、2つ以上の設問を掛け合わせて数え直す、グループごとの割合が1枚の表になる、全体の数字の内訳を確かめられる、の3点。掛け合わせる軸は、集計を始める前に決めておく。まず全体をつかみ、次に誰がどう違うかを確かめる。

クロス集計の3つの種類

クロス集計では、掛け合わせる設問のことを「軸」と呼びます。どの設問を軸に選ぶかで分かれるのが、次の3つの種類です。

種類

掛け合わせるもの

使う場面

属性クロス集計

年代・性別・地域などの属性 × 設問

属性ごとの傾向を見たいとき。最初に作る基本の表

設問間クロス集計

設問 × 設問(例:満足度 × 継続意向)

回答どうしのつながりを見たいとき

多重クロス集計(3重クロス)

3つ以上の軸(例:年代 × 利用期間 × 満足度)

2つの軸で見えた差が、実は別の要因のせいで発生したものでないかを確認したいとき

実務では、年代別・性別のような属性クロス集計を最初に作ります。多くの調査では、これと設問間クロス集計の2つを作れば、判断の材料としては十分です。

3つめの多重クロス集計だけは、確認できた差が、「実は別の要因のせいで出ていないか」を確かめるための集計で、使いどころは記事の後半であらためて取り上げます。

クロス集計表の見方

作り方に進む前に、表の各部の呼び名と数字の読み方を押さえておきたいところです。呼び名がわかると、集計ツールの設定画面や、調査会社から届くレポートも迷わず読めるようになります。

表側・表頭・度数・割合と、Nとn

説明に使うのは、ある飲料の満足度を100人に聞いた架空の調査です。年代別のクロス集計表を作ると、次のようになります。

満足

不満

合計

全体(N=100)

70人

30人

100人

20代(n=20)

10人

10人

20人

30代(n=30)

25人

5人

30人

40代以上(n=50)

35人

15人

50人

表の左端に並ぶ「20代」「30代」といった区分が表側(ひょうそく)、上端に並ぶ「満足」「不満」が表頭(ひょうとう)です。比べたいグループを表側に、設問の選択肢(この表では「満足」「不満」)を表頭に置くのが基本の配置になります。

「度数」は、マス目(セル)に入る人数を指す集計の用語です。集計ツールやレポートで「度数」と出てきたら、マス目の人数のことだと読み替えてください。割合は、この人数をもとに計算します。

あわせて出てくる「N」と「n」は、どちらも回答者数の呼び名です。Nは調査全体の、nは各グループの回答者数を指します。上の表なら、Nが100人で、20代のnが20人です。

行で見る割合と列で見る割合は別物。何を100%にするかを先に決める

同じ表からは、何を100%とするかの違いで、2種類の割合が計算できます。この2つを取り違えると、数字の意味がまるごと変わってしまう点に注意が必要です。

割合

何を母数(100%)とするか

上の表での読み方(20代×満足のセル)

行で見る割合

表側の各グループ(例:20代の20人)

20代の20人のうち、10人(50%)が満足

列で見る割合

表頭の各回答(例:満足の70人)

満足と答えた70人のうち、20代は10人(およそ14%)

年代ごとの違いを比べたいなら、各年代の人数を母数(100%)にする行で見る割合を使います。「満足と答えた70人の中で、どの年代が多いのか」を知りたいときに使うのが、列で見る割合です。

どちらの割合で読むかは、表を眺めてから考えるのではなく、「何と何を比べたいのか」という目的から先に決めます。レポートに載せるときも、どちらを母数(100%)としたかをひとこと添えておくと、読み手の取り違えを防げるはずです。

分析軸は、集計を始める前に決めておく

クロス集計の失敗の多くは、表の作り方から生まれるのではありません。掛け合わせる軸(分析軸)を、集計の段階になってから探し始めることが原因です。軸は思いつきではなく、調査の目的から決めるのが本来の順序になります。

「この調査で何を決めるのか」から軸を出す

手順は3つです。

  1. 「この調査で何を決めるのか」を1文にする

  2. その判断のために、どのグループとどのグループを比べる必要があるのかを書き出す

  3. 比べたいグループを区別できる設問(例:年代や利用期間を聞く設問)を選ぶ(この設問がそのまま分析軸になる)

たとえば「若い層向けの新パッケージに切り替えるかを決める」調査なら、比べたいグループは若い層とそれ以外の層なので、軸は年代になります。「長く使っている人の解約を防ぐ手を決める」調査であれば、年代よりも利用期間や利用頻度のほうがふさわしい軸です。

このように、分析軸は思いつきで増やすのではなく、決めたいことから逆算して2〜3個にしぼります。

分析軸は調査票の段階で確定する

軸として使う設問は、調査票に入っていなければ、回収後にどうやっても集計できません。年代で比べたいなら年代を、利用期間で比べたいなら期間を聞く設問を、配信前の調査票に入れておきます。

回収後にできるのは、あらかじめ入れておいた軸で表を作ることだけです。言い換えると、クロス集計の準備は、集計ソフトを開く前、調査票を書く段階でほとんど終わっています。

あわせて、比べたいグループごとに十分な人数がそろうかどうかも、対象者の集め方次第です。対象者の条件の絞り込み方と聞き方は、別記事「スクリーニング調査とは?スクリーナーの設問を作る手順と、該当者を正確に抽出する聞き方」で解説しています。

エクセルでクロス集計表を作る手順

エクセルでのクロス集計表の作り方は、「ピボットテーブル」を利用するパターンと関数を利用するパターンの2通りです。

ピボットテーブルで作る

ピボットテーブルの操作の前に、元データの形を整えます。行ごとに1人分の回答がまとまり、列ごとに1問に対する回答がまとまっている表が、ピボットテーブルにそのまま読み込める表の形式です。セルの結合や小計の行が混ざった表のままでは、正しく集計できません。

整形ができたら、操作は3つです。なお、ボタンやメニューの名称はエクセルのバージョンによって異なるため、以下の名称が画面の表示と一致しないときは、似た名前の項目を探してみてください。

まず、データ範囲を選んで、「挿入」のタブにある「ピボットテーブル」を選択します。次に、行のエリアへ表側にしたい設問(例:年代)を、列のエリアへ表頭にしたい設問(例:満足度)をドラッグしてください。最後に、値のエリアにも、表頭に置いた設問(例:満足度)と同じ列を置き、集計方法を「個数」にすると、マス目ごとに人数が入った集計表ができあがります。

割合で見たいときは、「値の表示形式」から「行方向の比率」を選んでください。これが、各年代の人数を100%とした割合(行で見る割合)です。

関数での作り方と、複数回答の設問の注意点

レポートの表の形が決まっていて、決まったマス目に数字を埋めたいときは、COUNTIFS関数を使います。「年代が20代で、かつ回答が満足」のように、複数の条件に合う回答の数を数えられる関数です。集計のたびに表の形を変えて試すならピボットテーブル、毎回同じ形の表を埋めるなら関数、という使い分けになります。

注意したいのが、複数回答ができる設問のクロス集計です。1人が複数の選択肢を選べる一方で、割合の分母は回答者の人数なので、各選択肢の割合を合計すると100%を超えます。

これは集計の間違いではありません。表を受け取った人が戸惑わないよう、複数回答の表には「割合の合計は100%を超える」とひとこと添えておきます。

グループ間で差が見られた時、「差がある」と結論づけてもよいのか

表ができると、グループ間の値の差は必ずどこかに見つかるものです。問題は、その差を「差がある」と結論づけ、報告に書いてもよいかどうかです。

必ず確かめる必要があるのは、「セルの人数」と、「別の要因の影響」の2つです。3つめの「検定」は、集計ツールで結果を出せる場合に確認します。それぞれ見ていきましょう。

まず、そのセルに何人いるかを確かめる

最初に確かめるのは、差が出たマス目の人数です。先ほどの架空の表では、20代の満足は50%で、他の年代より低く見えました。

ただし20代のnは20人なので、50%の中身は20人中10人です。比率の見た目が同じでも、20人中10人と500人中250人では、数字の確かさがまったく違います。20人の側は、数人の答えが変わるだけで、比率が大きく動いてしまうためです。

では何人いれば十分かというと、1つのセルに「30人」という目安を挙げる考え方もありますが、あらゆる調査に当てはまる一律の基準はありません。人数の少ないセルに出た差は、この調査の結論としてではなく、「次の調査で確かめる仮説」として扱うのが安全です。

報告に書くときも、「20代の50%」ではなく「20代の20人中10人(50%)」のように、分母の人数まで併記します。

もう1つ軸を足して、差が残るかを見る

セルの人数が十分足りていても、まだ安心はできません。その差が、実は別の要因のせいで出ていることがあるためです。

多重クロス集計は、この「見えた差は本物か」を確かめるために使います。確かめる手順を、先ほどの架空の調査の例の続きで示すと、次のようなイメージです。

  1. 20代の満足だけが低いという差が見つかったら、まず「満足度に影響していそうな、年代以外の要因」を1つ挙げます。今回の例で言えば「使い始めてからの期間」などが候補です。

  2. その設問を軸に足して、年代×利用期間×満足度の3つで集計し直します。最後は、利用期間で分けたグループごとの見比べです。利用期間が同じ人どうしで比べても、20代の満足の低さが残っているかどうかを確かめてください。

  3. 分け直した結果、期間の短い人はどの年代でも満足が低く、20代には使い始めたばかりの人が多かっただけとわかる、といったことがあります。

この場合、差のもとになっていた本当の要因は年代ではなく利用期間なので、「20代向けに商品を改良する」という手を打っても、狙った効果は見込めません。逆に、どの利用期間のグループでも20代の満足が低いままなら、別の要因では説明しにくい差だといえます。

検定でわかること、わからないこと

人数と別の要因を確かめたら、3つめの確認として検定を行います。検定とは、出た差が偶然だけで説明できるかどうかを、確率で確かめる計算のことです。

クロス集計表では、カイ二乗(にじょう)検定と呼ばれる方法がよく使われます。この検定が調べるのは、表の中の人数の偏りです。結果に出てくる「有意差がある」とは、「この差は偶然だけでは説明しにくい」という意味を表します。

検定が判定するのは「偶然だけで説明できる差かどうか」だけで、その差が大きいか、事業にとって重要かどうかは、何も教えてくれません。検定の結果は差を保証する印ではなく、人数と別の要因の確認に足して使うものです。

まとめると、報告に書いてよいかの線引きは、次のように引けます。

必ず確かめるのは、「セルの人数」と「別の要因を1つ足しても差が残るか」の2つ。この2つを確かめて差が残るなら、調査の結論として報告に書いて問題ありません。

検定は、集計ツールで結果を出せる場合に行う、3つ目の確認です。実務では検定をかけていないことも多くあるため、事業で利用する数字としては必須の要件ではないと言えるでしょう。

出た差を報告に書いてよいかを確かめる3つの手順を、左から順に並べた図。1つめは「セルの人数」で、必ず確かめるもの。差が出たマス目に何人いるかを見て、少なければ仮説として扱う。2つめは「別の要因」で、これも必ず確かめるもの。要因を1つ足しても差が残るかを見て、消えるなら要因は別にある。3つめは「検定」で、出せるなら足すもの。集計ツールで結果を出せる場合に足し、なくても結論は書ける。上の2つで差が残れば、結論として報告に書ける。

集計表から、報告に書くことを選ぶ

軸を2〜3個にしぼっていても、設問と掛け合わせていくと、集計表は簡単に数十枚になります。そのすべてを報告に載せる必要はありません。

報告に載せるのは、「この調査で何を決めるのか」への答えの根拠に使った表だけです。差が出なかった表も、「比べたが同じだった」ことが判断の材料になるなら、載せる価値があります。

もう1つ、表からは、「なぜその差が出たのか」という理由までは出てきません。理由を探す先は、自由記述の回答です。自由記述の分析方法は、別記事「アンケート自由記述の分析はAIに任せられる?回答件数で選ぶ4つの方法と、生成AIで分析する手順」で解説しています。

集計から読み取りまでを任せるなら、AIインタビューサービス「Spark Research」

Spark Research は、アサヒビールや日本たばこ産業(JT) などの大手メーカーも利用する、AIインタビューサービスです。

クロス集計で属性ごとの違いが見えても、「なぜその差が出たのか」は、表をどれだけ読み込んでも出てきません。差の理由を確かめるには、その属性の人たちから、理由の言葉を直接聞き取る調査が必要です。

Spark Research では、AIがインタビューの聞き手を務めることで、数百名規模の定性調査を可能にしました。回答の傾向をクロス集計し、グループごとの傾向を掴んだ上で、実際の回答者の言葉を見比べることもできます。クロス集計で判明した差の理由まで、一度の調査で把握することが可能です。

属性ごとの差を深掘りする調査の設計から分析までご一緒できますので、下記よりお気軽にお問い合わせください。

軸の決め方と差の確かめ方を押さえて、クロス集計を判断に使おう

クロス集計の表を作ること自体は、ピボットテーブルを使えば難しい作業ではありません。この集計の価値を決めるのは、軸を「決めたいこと」から先に決めておくことと、セルの人数や別の要因の確認をしっかり行うことです。

まずは手元の調査について、決めたいことを1文にし、そこから分析軸を2〜3個書き出すところから始めてみてください。

単純集計や自由記述の集計も含めた分析全体の進め方は、別記事「アンケート分析のやり方|集計の3つの基本と、目的別の分析手法の選び方」で解説しています。

よくある質問

単純集計とクロス集計は、どちらを先に見ればよいですか?

単純集計が先です。すべての設問の単純集計を通して眺め、全体の傾向をつかんでから、比べたい軸のクロス集計に進みます。全体像を持たないまま細かい表に入ると、全体の傾向とずれた部分に時間を使ってしまいがちです。

1つのマス目に何人いれば「差がある」と言ってよいですか?

あらゆる調査に当てはまる一律の基準はありません。1つのセルに30人という目安を挙げる考え方もありますが、必要な人数は調査の目的や差の大きさによって変わります。人数の少ないセルに出た差は結論ではなく「次の調査で確かめる仮説」として扱い、報告には比率だけでなく分母の人数を併記するのが安全です。

3重クロス集計は、どんなときに使いますか?

最初のクロス集計で見えた差が、実は別の要因のせいで出ていないかを確かめたいときに使います。差のもとになっていそうな要因を軸に1つだけ足し、分けたグループごとに元の差が残るかを見る、という使い方です。軸を足すほど各セルの人数が減るため、細かく見る目的で軸を重ねることはおすすめできません。

エクセルと専用の集計ツールは、どちらを使うべきですか?

単純集計とクロス集計までなら、エクセルのピボットテーブルとCOUNTIFS関数で対応できます。回答数が多い場合や、同じ調査を繰り返して毎回同じ形の表を作る場合は、集計を自動化できる専用ツールのほうが手間の面で有利です。まずエクセルで始めて、手間が増えてきたら切り替えるという順でも遅くありません。

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